海洋散骨をお考えですか?海洋散骨は自然葬のひとつとして今、注目されている葬法です。この記事では、島根県での海洋散骨でおすすめの業者や、海洋散骨の料金、注意点をご紹介します。海洋散骨に興味をお持ちの方は、ぜひ参考にしてください。
海洋散骨とは?
海洋散骨とは、火葬後の遺骨を粉末状に砕いて海に撒く葬法です。お墓に納骨する従来の葬法とは異なり、故人を自然に還すという考え方に基づいています。近年では、「お墓の継承者がいない」「経済的な負担を軽減したい」「故人が海を愛していた」などの理由で、自然葬を希望するケースが増えています。特に海洋散骨は、“海”という壮大な自然に還れるといった理由から、ご自身の供養の方法として注目されています。
ちなみに、日本では、海洋散骨について法的に明確な規定はありません。しかし、海洋散骨を実施する際は、厚生労働省のガイドラインなどを遵守し、適切な方法で執り行なうことが望ましいとされています。
島根県の主な散骨スポット
出雲沖
出雲沖は、神話の地・出雲大社に近接する神聖な海域で、故人を自然へと還すにふさわしい場所です。静寂な海と豊かな自然に囲まれたこのエリアでは、厳かな雰囲気の中で散骨を行なえます。故人の魂が穏やかに旅立つことができると言えます。
松江沖
松江沖は、風光明媚な景観が広がるエリアです。都市部からのアクセスも良好で、家族や親族が集まりやすい点が魅力です。穏やかな海域での散骨は、故人との最後の時間を静かに過ごすのに適しています。
日御碕沖
日御碕沖は、雄大な日本海に面し、日御碕灯台が象徴的なエリアです。壮大な景観が特徴で、自然の力強さを感じながらの散骨が可能です。特に、海を愛した故人にとっては、心に残る場所となるでしょう。
海洋散骨の料金プラン
海洋散骨の料金は、プランによって大きく異なります。主なプランには、「委託(代行)散骨」「合同(乗り合い)散骨」「チャーター散骨」の3つがあります。それぞれの詳細を見ていきましょう。
委託(代行)散骨プラン
委託散骨プランは、遺族が船に乗船せず、散骨業者に全てを任せるプランです。このプランでは、業者が責任を持って遺骨を粉骨し、適切な海域まで運んで散骨を実施します。
散骨証明書はもちろんですが、写真や動画で様子を記録するサービスを提供している業者もあります。船が苦手な方、できるだけ費用を抑えたい方に適したプランです。
島根県の海洋散骨業者では、5万円から10万円程度が相場となっています。
合同(乗り合い)散骨プラン
合同散骨プランは、複数の家族が同じ船に乗り合わせて散骨を行なうプランです。このプランの魅力は、家族が実際に散骨に立ち会える点です。船上でお別れの時間を過ごし、故人を偲びながら最後のお見送りができます。他の家族と一緒になりますが、それぞれの散骨は個別に行なわれるため、プライベートな時間も確保されます。
ただし、合同散骨では、あらかじめ業者が設定した日時で実施されるのが一般的です。希望の日時で実施できないことがある点は注意が必要です。また、乗船人数が制限される可能性がある点も留意しておく必要があります。
島根県では10万円から20万円程度が相場で、委託散骨とチャーター散骨の中間的な位置づけとなります。
チャーター(貸し切り)散骨プラン
チャーター散骨プランは、1組の家族で船を一隻貸し切って行なうプランです。このプランでは、日程や時間、散骨場所を家族の希望に合わせて調整できます。乗船人数の制限も緩やかで、親族や親しい友人も一緒に参加できることが多いです。船上でのセレモニーも自由度が高く、故人の好きだった音楽を流したり、思い出話をしながら過ごしたりすることができます。 また、チャーター散骨では、業者によって散骨後に会食の時間を設けることも可能です。天候が許せば、故人が愛した島根県の美しい海を眺めながら、心ゆくまでお別れの時間を過ごせます。3つのプランの中で最も費用は高くなりますが、満足度が高い点が大きな特徴です。
島根県では、20万円から40万円程度で実施できるケースが多いです。
信頼性が高い海洋散骨業者の見極め方
海洋散骨では、信頼できる業者に依頼することがとても重要になります。この章では、信頼性が高い業者の見極め方をご紹介します。
地元島根県での実績が豊富であるか?
業者を選ぶ際は、まず島根県内での散骨の実績が豊富な業者を選ぶことが重要です。地元での実績が多い業者は、島根県沖の海域の特性や気象条件を熟知しており、安全で適切な散骨を行なうことができます。
また、地域の漁業関係者などとの連携が取れていることも多いため、トラブルを避けやすくなります。実績については、業者のホームページや資料で確認できるほか、直接問い合わせて過去の散骨件数や経験年数を聞いてみるとよいでしょう。
協会へ加盟している事業者か?
信頼できる業者かどうかを判断する指標の一つが、「業界団体への加盟状況」です。日本海洋散骨協会や全国海洋散骨船協会などの団体に加盟している業者は、一定の基準やガイドラインに従って散骨を実施しており、高品質なサービスを期待できます。
また、これらの協会では、適切な散骨方法や環境への配慮について指導を行なっているため、高い専門性と倫理観の中で故人を送り出すことができます。
海洋散骨ディレクターなどの有資格者が在籍しているか?
専門知識を持った有資格者が在籍しているかどうかも、業者の信頼性を示す指標となります。海洋散骨ディレクターは、散骨に関する法的な知識や技術、マナーについて専門的な研修を受けた資格者です。
加えて、船舶免許を持つスタッフや葬祭ディレクターなどの関連資格を持つ人材が在籍している業者であれば、より専門的で丁寧なサービスを期待できます。打ち合わせや資料請求の際に、有資格者が在籍しているかどうか聞いてみるとよいでしょう。
手元供養などのオプションが用意されているか?
優良な業者は、散骨以外にも遺族の気持ちに寄り添ったさまざまなオプションを用意しています。
散骨前に少量の遺骨を分骨してペンダントにしたり、ミニ骨壷に納めたり、あるいは散骨海域の海水を使った記念品を作成してもらえたり。手元供養品として、故人を偲ぶことができるオプションサービスを整えています。
このようなオプションサービスが充実した業者であれば、散骨後に後悔するリスクを低減できます。
散骨する海域を明確に教えてくれるか?
信頼できる業者は、散骨を行なう具体的な海域について詳しく説明してくれます。島根県沖のどの辺りで散骨を行なうのか、その海域が法的に問題ないか、漁業区域や航路から十分に離れているかなどを明確に伝えてくれる業者を選びましょう。
逆に、散骨海域について曖昧な説明しかしない業者は避けるのがおすすめです。理由としては、特に委託散骨の場合、マナーやルールに則って散骨をしてくれているか不明瞭だからです。最悪、海岸から十分に距離を取らない場所で散骨していることもありうるわけです。そのため、散骨する海域については、事前に確認しておくことをおすすめします。
本当に海洋散骨していいかあらためて確認してくれるか?
丁寧な業者は、契約前に依頼者の意思を再確認し、海洋散骨が本当に最適な選択かどうかを一緒に考えてくれます。
散骨は元に戻すことができない葬法です。親族間で合意が取れていない、お墓参りができる場所がなくなり寂しいというようなことになると、散骨したことを後悔してしまいます。
それは、サービスを提供する側としても望ましい結果ではありません。このようなことを避けるために、優良な業者は散骨の相談があっても今一度、遺族に散骨が最良な選択か考えてもらう時間を設けてくれます。
業者を選ぶ際は、その点もチェックしましょう。
おすすめの海洋散骨業者5選
では、ここから島根県での海洋散骨でおすすめの業者をご紹介します。株式会社Aクルーズ(みんなの海洋散骨)
「みんなの海洋散骨」は、株式会社Aクルーズが運営する全国対応の海洋散骨サービスです。島根県を含む全国の海域での散骨が可能で、故人の希望や遺族の想いに寄り添った散骨を提供しています。委託散骨はもちろん、合同散骨やチャーター散骨など、多様なプランも用意されています。また、各プランには粉骨費用も含まれているなど、明朗会計である点も魅力です。厚生労働省の「散骨に関するガイドライン」を順守しているため、マナーやルールに則った適切な散骨ができる点もポイントと言えます。
料金プラン
委託(代行)散骨プラン:44,000円(税込)~
合同散骨プラン:132,000円(税込)~
チャーター散骨プラン:242,000円(税込)~
株式会社SPICE SERVE(海洋散骨シーセレモニー)
海洋散骨シーセレモニーは、島根県松江市の日本海沖を舞台に、心を込めた散骨サービスを提供している業者です。島根県では、「代理散骨プラン」のみの提供となりますが、経験豊富なスタッフが遺骨を丁寧に海へ還してくれるので、安心して委託することができます。基本のサービス内容が充実している点も同社の特徴で、散骨当日は、献花や献酒、黙祷などのセレモニーが行なわれます。もちろん、散骨後には緯度・経度を記載した散骨証明書も提出してもらえますし、セレモニーの写真も同封されているので、散骨後のお参りや思い出の共有をしやすい点もポイントです。
料金プラン
委託(代行)散骨プラン:77,000円(税込)
株式会社はるか(海洋散骨はるか)
「海洋散骨はるか」は、島根県をはじめ全国各地でクルーザーを使用した本格的な海洋散骨サービスを提供している業者です。故人の尊厳を大切にしたセレモニーが同社の魅力で、利用者の高い満足度を獲得しています。散骨後には散骨証明書も提供されるため、後日同じ場所を訪れることも可能です。また、同社では手元供養品の制作サービスも充実。遺骨の一部を使用したペンダントやミニ骨壷などは、故人を偲ぶアイテムが欲しい人たちから選ばれています。
料金プラン
チャーター散骨プラン:一人30,800円(税込)
株式会社LikeFamily(ライクファミリー)
料金プラン
委託(代行)散骨プラン:55,000円(税込)~
チャーター散骨プラン:275,000円(税込)
メモリアルチャータープラン:242,000円(税込)
LDT株式会社(やさしい海洋散骨)
やさしい海洋散骨では、景観が美しい出雲沖での散骨を実施しています。この島根県ならではのニーズに応えた心温まるセレモニーは多くの好評を得ています。また、委託散骨プランは業界最安クラス。それでありながら、花びらの散布や黙祷、散骨証明書の発行、写真撮影など、充実したサービスを提供している点は大きな魅力と言えます。さらに、24時間365日対応の相談体制も整っているため、急な依頼にも柔軟に対応してくれます。地域に根差した丁寧なサービスと実績豊富なスタッフによるサポートにより、初めての方も安心して利用することができるでしょう。
料金プラン
委託(代行)散骨プラン:55,000円(税込)
合同散骨プラン:159,000円(税込)
チャーター散骨プラン:269,500円(税込)
海洋散骨で注意すべきこと
海洋散骨は、マナーやルールに則って行わなければなりません。ここでは、海洋散骨の注意点として3つの項目を取り上げます。
遺骨は粉骨(パウダー化)する
海洋散骨を行なう際は、遺骨を必ず粉骨してパウダー状にする必要があります。明確に決められているわけではありませんが、一般的には2mm以下の細かさまで砕くことが多いです。
散骨をサポートしてくれる業者は基本、粉骨にも対応しています。業者の手を借りて、遺骨を粉骨しましょう。ちなみに、粉骨の費用は、1体あたり2万円から5万円程度が相場となっています。
地域住民や漁業関係者、観光客への配慮を心がける
海洋散骨は、海を利用する多くの人々に影響を与える葬法です。そのため、周囲への配慮は不可欠です。特に島根県は、漁業が盛んな地域も多いため、漁業関係者への配慮は重要になります。
海岸から最低でも1kmは距離を取ること、漁場や養殖場から十分に距離を取ることなどを踏まえて、散骨を実施しましょう。また、海水浴場や観光地の近くでの散骨も控えましょう。
服装に気をつける(喪服は基本NG)
海洋散骨の際の服装は、一般的な葬儀とは異なり喪服を着用しないのが基本です。これは、漁業関係者や桟橋など、周囲の人々に不安や不快感を与えないための配慮のためです。特に観光船や漁船が行き交う海域では、黒い喪服を着た人々が船上にいると、事故や不幸な出来事を連想させてしまう可能性があります。
推奨される服装は、落ち着いた色合いの平服です。船上では風が強く、海水が飛び散ることもあるため、汚れても構わない服装を選ぶことがポイントです。業者によっては、服装について具体的なアドバイスをしてくれる場合もあるため、事前に相談することをおすすめします。ちなみに、
海洋散骨の気になるあれこれ
海洋散骨のメリット・デメリットは?
海洋散骨には多くのメリットがあります。最も大きなメリットは、「お墓を建てる必要がないため、初期費用を大幅に抑えられること」です。一般的な墓石の購入費用は数百万円かかることが多いですが、海洋散骨であれば数十万円程度で済みます。また、お墓の管理費用や維持費用も一切かからないため、長期的な経済負担を軽減できます。
加えて、お墓の承継者がいない場合でも選択できるという点もメリットです。少子高齢化が進む現代において、将来的に墓守がいなくなる心配がある家庭にとって、海洋散骨は安心できる選択肢となります。自然に還るという考え方も、多くの人に受け入れられています。
一方、デメリットとしては、「お墓参りする場所がなくなること」です。従来のお墓のように、いつでも故人を偲べる場所がないため、心の拠り所を失ったと感じる遺族も少なくありません。また、一度散骨してしまうと、後から遺骨を取り戻すことが不可能な点も注意が必要です。
海洋散骨は違法な葬送?
海洋散骨は違法行為ではありません。日本では、散骨について具体的に明記した法律というのは存在しません。法務省の見解でも、「葬送のための祭祀で、節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪に該当しない」との見解が示されています。つまり、散骨は一定の条件を満たせば、違法ではない葬法となっています。
ただし、散骨は適切な方法で行なうことが前提条件です。遺骨は必ず粉骨してパウダー状にしたり、関係者の宗教的感情に配慮し、海岸や養殖地などから十分距離を取って行なったり。このようなマナーやルールに則って実施する必要があります。
海洋散骨は後悔する?
海洋散骨を選択した後に、後悔するケースは一定数あります。最も多い理由は、「お墓参りする場所がなくなった」というものです。
従来のお墓があれば、故人を偲びたいときにいつでも訪れることができましたが、海洋散骨では特定の場所がありません。そのため、故人との心のつながりを感じにくくなったと後悔する方も少なくありません。
後悔を防ぐためには、散骨する前に十分に検討することが重要です。家族や親族全員で話し合い、全員が納得した上で決めましょう。
また、手元供養用の遺骨を一部残しておく、散骨した海域の写真を残しておくなど、後から故人を偲べる方法を用意しておくことも有効です。
まとめ
海洋散骨は近年、注目されている葬法です。従来の墓地埋葬とは異なるメリットが数多くあります。しかし、実施する際にはマナーやルールに則る必要があります。良い面と悪い面を考慮のうえ、散骨するかどうか決めることをおすすめします。