この記事では、長崎県の主要な海洋散骨エリアや、海洋散骨の料金プラン、さらには長崎県でおすすめの海洋散骨業者をご紹介します。また、業者選びのポイントもまとめていますので、長崎県で海洋散骨を検討している方はぜひチェックしてください。
長崎県の主な海洋散骨エリア
五島列島エリア
五島列島は、長崎県西部に位置する島々が織りなす美しい風景が魅力の海域です。断崖絶壁や青く澄んだ海、豊かな海洋生物が過ごす自然のパノラマは、故人を偲ぶための静謐な空間として最適です。人里離れた環境でありながら、散骨プランとしては広範囲にわたるエリアが確保されており、訪れる方に心静かな別れのひとときを提供します。
平戸海域エリア
平戸は、歴史と自然が調和した港町として知られ、長崎県内でも評価の高い散骨エリアのひとつです。平戸海域は、緩やかな海流と美しい海の風景が特徴で、落ち着いた雰囲気の中で実施される海洋散骨は、参列者に深い感動と心の安らぎを与えます。伝統的な街並みと海の調和が、故人への感謝を表す場として適しています。
海洋散骨の料金プラン
海洋散骨の料金プランは、大きくわけて次の3つが一般的です。
- 委託(代行)散骨プラン
- 合同(乗り合い)散骨プラン
- チャーター散骨プラン
ひとつずつ解説します。
委託(代行)散骨プラン
委託(代行)散骨プランは、散骨に必要な手続きから海への散骨まで、業者に全て任せるプランです。このプランでは、専門のスタッフが故人の遺骨の粉骨作業から海への散骨まで、全プロセスを一括して行ないます。
料金には、必要な許認可の取得や散骨証明書の発行、さらには散骨後の供養が含まれることが多いため、安心して任せられる点が魅力です。また、料金はほかの2つのプランより低く抑えられます。
合同(乗り合い)散骨プラン
合同(乗り合い)散骨プランは、複数の遺族がひとつの船に乗り合わせて、散骨を行なうプランです。クルーザーをチャーターする形になりますが、チャーター料金は複数の遺族で均等に分ける形となるため、チャーター散骨プランより料金を抑えられます。
ただし、複数の遺族が乗り合わせるため、散骨の場所や日時は業者で設定しているのが基本です。そのため、希望の場所で希望の日時での散骨が難しい場合もあります。
チャーター散骨プラン
チャーター散骨プランは、専用の船舶をチャーターし、プライベートな空間で散骨を行なうプランです。料金は他のプランに比べて高額になる傾向がありますが、その分、利用者の希望する海域や時間、さらには供養の方法など、細かなリクエストに柔軟に対応してもらえます。
家族や親しい関係者だけで静かに故人を送り出したい場合や、オーダーメイドの供養プランを希望する場合に最適です。専門スタッフがイチから対応してくれるため、事前の打ち合わせを通して信頼性の高いサービスを提供してもらえます。
長崎県でおすすめの海洋散骨業者9選
株式会社ハウスボートクラブ(ブルーオーシャンセレモニー)

ブルーオーシャンセレモニーは、海洋散骨サービスを提供する企業で、2007年の創業以来、5,000件以上の実績を持ちます。特徴として、船舶免許やダイビングインストラクター資格を持つ専門スタッフが在籍し、安心・安全なセレモニーを実現しています。全国80ヶ所以上の海域やハワイでの散骨が可能で、故人の思い出の場所での散骨を実現します。遺族が遺骨の粉末化に立ち会うことで、故人を見送る時間を大切にし、音楽演奏や法要など、個別の要望に応じた自由なセレモニーを提供しています。さらに、散骨後も故人に会いに行ける「メモリアルクルーズ」を実施し、遺族の心のケアをサポートしています。
料金
チャーター散骨プラン:440,000円(税込)
※土日祝は495,000円(税込)
Nプラン株式会社(うみと大地の自然葬)

Nプラン株式会社は長崎県における海洋散骨の先駆けとして、長年にわたってサービスを提供し、豊富な実績がある会社です。「うみと大地の自然葬」というコンセプトのもと、遺族の思いを大切にしながら、故人との最後の別れを心温まる形でサポートしています。そんな同社では、専門の葬祭ディレクターが、個々のケースに合わせた最適なプランを提案してくれる点がポイントです。細部にまでこだわった丁寧なサービスで散骨をサポートしてくれます。初めて海洋散骨する方でも安心して委託することができます。
料金
委託(代行)散骨プラン:53,000万円(税込)
チャーター散骨プラン:220,000万円(税込)~
株式会社リアルエステート PLUS(メモリアルロード)

業界において高い信頼性と多くの実績を持つのが、リアルエステート PLUSです。「メモリアルロード」のブランドのもと、利用者一人ひとりに寄り添ったカスタマイズ可能な海洋散骨プランを提供しています。遺族の希望や想いに応じた柔軟な対応が同社の最大の特徴です。また、同社では専門のスタッフが詳細なカウンセリングを通じて、サービスの説明を実施してくれます。安心できるサービス提供に努めているため、安心して海洋散骨を実施することができるでしょう。
料金
委託(代行)散骨プラン:80,000円~
チャーター散骨プラン:150,000円~
大井手メモリードホール本館

大井手メモリードホール本館は、長崎県内で多くの海洋散骨の実績を持つ会社です。経験豊富なスタッフと最新の技術が最大の特徴で、丁寧に遺骨の粉骨から海への散骨までをサポートしてくれます。また、同社では料金体系の透明性が高く、多くの利用者から信頼を獲得しています。満足できる散骨にしたい方は、一度話を聞いてみることをおすすめします。
料金
委託(代行)散骨プラン:88,000円
チャーター散骨プラン:220,000円
はま風

はま風は、地域に根ざしたアットホームなサービスが魅力の業者です。自然環境を大切にする考え方と、丁寧な説明を重ねることで、遺族の不安を解消しながらサービスを提供しています。また、利用者の気持ちに寄り添った柔軟な対応と、シンプルでわかりやすい料金プランも定評で、初めて海洋散骨を利用する方でも安心です。
料金
委託(代行)散骨プラン:伊王島・神楽島エリア43,000円、軍艦島エリア75,000円
チャーター散骨プラン:180,000円
株式会社はるか(海洋散骨はるか)

最新設備を備えた信頼性の高い業者が、「海洋散骨はるか」です。故人を偲ぶ心と遺族への細やかな配慮が徹底されている点が最大の魅力で、利用者が安心して散骨を実施できる環境を提供しています。また、多彩なプランと、それぞれのニーズに合わせた柔軟な対応も同社のポイント。安心して最期のセレモニーを迎えることができます。初めて海洋散骨を検討する方はぜひ一度、同社に相談してみるとよいでしょう。
料金
チャーター散骨プラン:一人30,800円(税込)
株式会社Like Family(ライクファミリー)

株式会社Like Familyの海洋散骨サービスは、安全性、環境配慮、充実したサポートの面で高く評価されています。乗船者には当日の保険が適用され、安心して散骨を行なえます。また、環境保全のために水溶性の紙を使用し、粉骨時には六価クロムの無害化処理を施しています。さらに、粉骨処理や献花、折り鶴の準備、散骨の様子の写真撮影、散骨証明書の発行など、多彩なサービスが含まれています。チャータープランや代行プランなど、ニーズに応じた選択肢も豊富で、故人を自然に還す大切な儀式を安心して任せられる信頼のサービスを提供しています。
料金
委託(代行)散骨プラン:55,000万円(税込)
委託(代行)散骨チャータープラン:88,000万円(税込)~
チャーター散骨プラン:374,000万円(税込)
メモリアルチャーター散骨プラン:341,000万円(税別)
株式会社LDT(やさしい海洋散骨)

「やさしい海洋散骨」は、長崎県の美しい海域である五島灘や九十九島沖、天草灘を舞台として海洋散骨サービスを提供している業者です。低価格でのサービス提供が最大の魅力で、業界最安級の55,000万円から利用可能な明朗会計のプランが用意されています。
また、船に乗らずに専門のスタッフに散骨を委託する「代理プラン」や、他の家族と合同で行なう「合同プラン」、家族・親族だけのプライベートな空間で散骨を行なえる「貸切プラン」とプランも充実しています。散骨後には散骨証明書や写真アルバムが提供され、故人を偲ぶモノをかたちとして残すことができる点もポイントです。
料金
委託(代行)散骨プラン:55,000万円(税込)
委託(代行)散骨チャータープラン:159,500万円(税込)
チャーター散骨プラン:269,500万円(税込)
佐世保散骨シーハーモニー

佐世保散骨シーハーモニーは、長崎県佐世保市の美しい九十九島沖で、海洋散骨サービスを提供しています。料金は1名から7名までのプランが50,000円(税込)からと明朗で、粉骨や献花・献酒・黙祷、散骨証明書、当日の写真なども料金に含まれています。
また、散骨後には、九十九島を一望できる展望台で手を合わせることができ、故人を偲ぶ場として最適です。法令を遵守し、環境や漁業権にも配慮した運営を行なっているため、安心して利用することができます。
料金
チャーター散骨プラン:50,000円(税込)~150,000円(税込)
※乗船人数によって変動します。
海洋散骨業者の選び方
地元長崎での実績を確認する
長崎県内で海洋散骨を依頼する際には、まず地元での実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。地元の海域に精通している業者であれば、潮流や天候の特性、適切な散骨スポットの選定など、長崎ならではの事情に対応したサービスを提供してくれます。
五島列島沖や壱岐・対馬周辺、長崎港周辺の海域など、地域特性に応じた散骨場所の選定に明るい業者は、信頼性が高いといえます。また、国土交通省の許可を得て旅客運送業を行なう正規の船舶運航業者と提携しているかどうかも確認すると良いでしょう。
関連協会への加盟状況を調べる
海洋散骨業者は何よりも信頼性が重要です。その信頼性を見極める際、「一般社団法人日本海洋散骨協会」や「一般社団法人全国海洋散骨船協会」への加盟状況は重要な判断材料となります。これらの団体は一定の基準を満たした業者のみが加盟できる仕組みとなっており、法令遵守や倫理的配慮、適正な散骨の実施などが保証されます。公式サイトや打ち合わせなどで加盟状況を確認してみましょう。
海洋散骨ディレクターなどの有資格者が在籍しているか確認する
散骨は法律やマナーに配慮しながら慎重に行なうべき葬送です。そうした基礎知識やルールを把握しているのが、「海洋散骨ディレクター」や「海洋散骨アドバイザー」です。業者選定の際は、これらの資格を取得しているスタッフが在籍しているかどうか確認しましょう。有資格者がいる業者であれば、宗教的・倫理的な面に加え、遺族の心情に配慮した丁寧なサービスを期待できます。
手元供養などのオプションが豊富か確認する
海洋散骨では、遺骨を撒いたのち後悔してしまうこともあります。実際、「手を合わせる場所がない…」「遺骨がないからさみしさを感じる…」という声が少なくありません。そのような後悔を少なくするためのサービスが手元供養です。業者選定では、この手元供養のオプションが豊富であるかどうかもチェックしましょう。それが、後悔のない散骨ができることにつながります。
海洋散骨の流れ
①お問い合わせ・相談予約
海洋散骨を検討し始めたら、まずは業者へ直接お問い合わせをすることが第一歩です。長崎県内にも複数の海洋散骨業者があるため、それぞれの公式サイトや電話・メールから相談予約を行ないます。初回の相談は無料で対応している業者が多く、遺骨の状況や散骨希望日、希望する実施エリアなどについて、専門のスタッフが丁寧にヒアリングを行ないます。相談時に費用の見積もりも提示されることが多く、後のトラブルを防ぐ意味でもしっかりと内容を確認することが重要です。
②プランの検討と申込み
散骨サービスには「委託散骨」「合同散骨」「個別散骨」など、いくつかプランがあり、それぞれに予算や実施内容が異なります。合同散骨では他の遺族と同じ船に乗船する形で行なわれ、費用を抑えたい方に向いています。個別散骨では家族や親族だけの貸切船で散骨するためプライベートな時間が確保でき、セレモニー性も高まります。委託散骨は業者にすべてを任せる形式で、自ら立ち会うことなく散骨を行なってもらえます。これらの特徴を踏まえた上で、希望に合ったプランを選び、正式に申込みを行ないます。
③遺骨の受け渡しおよび粉骨処理
海洋散骨を行なうには、火葬された遺骨を2ミリ以下に粉末状へ加工する「粉骨処理」が法律上必須とされています。これは海洋環境への配慮、および衛生面から定められている要件です。申し込んだ後、散骨業者より遺骨の送付方法や持参の案内がなされます。直接持ち込む場合と郵送する場合があり、地域によっては業者が自宅まで遺骨を引き取りに訪れることもあります。引き取られた遺骨は、洗浄・乾燥・異物除去の工程を経て、専用の粉砕機で丁寧に粉骨されます。
④散骨当日の準備
散骨予定日が近づくと、業者から改めて当日の集合場所や持ち物、服装などに関する詳細案内があります。船に乗って行なうため、長崎港や佐世保港など、長崎県内の出航場所や集合時間の確認は重要です。体調がすぐれない場合には、無理をせず日程変更の相談も可能です。当日の持ち物には、遺影や献花、故人のお気に入りだったもの(法律で許可される範囲のもの)などが含まれます。また、安全対策のため、ライフジャケットの着用が義務付けられる場合もあります。
⑤海洋散骨の実施
出航時間になると、船は穏やかな海へと進み、予定されたポイントでアンカーを下ろします。セレモニー形式の散骨では、黙祷・読経・音楽演奏などを取り入れることも可能で、故人への想いを表現する貴重な時間となります。遺族の手により粉骨された遺骨を海にまき、その際に献花や献酒を添えて水面に広がる花々とともに見送ります。自然への回帰を象徴するこの儀式は、厳かで清らかな雰囲気の中で行なわれ、心を込めた供養の場となります。
⑥散骨後の帰港と終了
散骨が終わると、船は港へと戻ります。帰港後には、記念の写真撮影や、スタッフからの挨拶とともに当日の流れを簡単に振り返る時間が設けられることもあります。散骨という行為がひとつの人生の節目であるため、喪主や施主によっては軽食や談話の場を設営することもあります。長崎県内の業者では帰港後のサポートも丁寧に行なっており、希望により自宅までの送迎サービスや、近隣にある納骨堂やメモリアルホールの案内を受けることも可能です。
➆散骨証明書の発行
海洋散骨を完了すると、業者より「散骨証明書」が発行されます。この証明書には、散骨を実施した日時・海域の緯度経度・実施業者名などが記載され、散骨を実施した事実を証明する公式な書面となります。近年では、この証明書を専用の額に入れて自宅に飾る方も少なくなく、法的な義務ではないものの、故人との絆を示す資料として重宝されます。また、相続や供養に関するトラブルを未然に防ぐ目的でも、こうした記録を残しておくことをおすすめします。
⑧アフターケアとオプションサービス
散骨後の不安や供養のあり方について心配する方も多く、業者によってはアフターケアの一環として、定期的な慰霊クルーズや年忌法要の代行サービスを提供しています。また、故人の音声や映像をデジタルアーカイブ化するプランなども注目されています。残された家族にとっては、定期的な思い返しの場を用意することで、心の整理をつける機会となるため、総合的な供養を考える上でもこうしたオプションの活用が広がっています。
海洋散骨のよくある疑問
そもそも海洋散骨とは何か?
海洋散骨とは、故人の遺骨を海に撒いて供養する葬送方法のひとつです。火葬後に遺骨を粉末化したものを、特定の海域に船で出向いて撒くことで故人を弔います。近年、少しずつ認知され始め、それと同時に海洋散骨を選ぶ方が増えています。海洋散骨は、従来のようにお墓に埋葬するのではなく、自然の一部に還るという発想から、自然志向・環境配慮型の供養方法として注目を集めています。
また、海に縁のある方や、生前に「自分の死後は自然に還りたい」と考えていた方々に選ばれることが多く、漁業関係者や海を愛した方にとっては特に人気のある供養方法です。海洋散骨は、宗教的・文化的な制約も少ないため、無宗教の方や特定の信仰を持たない方にも広く受け入れられています。
なぜ海洋散骨を選ぶ人が増えているのか?
海洋散骨を選ぶ方が増えている背景には、ライフスタイルや価値観の多様化、そして少子高齢化といった社会的な背景が密接に関わっています。まず、従来の墓地埋葬では土地や墓石の購入、永代供養料など大きな費用が必要になることが多く、特に都市部では墓地の確保すら困難なケースもあります。一方で、海洋散骨は比較的経済的な負担が軽く、維持管理費もかからない点が魅力となっています。
また、現代では家族や親類との同居が減る傾向にあり、お墓が遠方にあることで墓参りが難しくなるケースも少なくありません。そのため、「墓を持たない」という選択肢として、海洋散骨を含む自然葬が選ばれるようになっています。さらには、「自然に抱かれたい」「一カ所に縛られたくない」といった個人の価値観や、「子どもにお墓の管理の負担をかけたくない」といった家族への配慮も、多くの人が海洋散骨を選ぶ理由となっています。
海洋散骨のメリットは?
経済的な負担が少ない
海洋散骨は、一般的なお墓の建立やその管理が必要ありません。そのため、墓地を購入し、石碑を建て、定期的に管理費を支払うといった伝統的な葬送に比べると初期費用や維持費を格段に抑えることができます。昨今では、経済的な理由でお墓を持たない選択をする家庭も増えており、海洋散骨はそうしたニーズにも応える方法として注目を集めています。
墓じまいの必要がない
近年、少子高齢化や家族構成の変化により「墓じまい」を検討する家庭が増加しています。跡継ぎがいない、転居先が遠くなった、管理が困難になったなどの理由により、既存の墓を撤去する家庭では、新たな納骨先の選定が課題となります。海洋散骨は自然への回帰を意味する供養の方法であるため、新たな墓地の選定や維持管理をする必要がなく、結果として墓じまい後の選択肢としても多くの方が検討するようになりました。
宗教や宗派を問わず実施できる
従来の供養方法では宗教や宗派によって細かな作法の違いや制限が存在することがありますが、海洋散骨は宗教的な儀礼に捉われず実施できる点が特徴です。
仏教、キリスト教、無宗教に関わらず、形式にこだわらず故人との別れを大切にしたいと願う家族にとって、自由なスタイルで故人を送り出せる海洋散骨は理想的な選択肢となります。
長崎県では、こうした信仰の多様性が受け入れられており、特定の儀式に縛られない散骨の需要が年々高まっています。
自然回帰志向の供養ができる
環境への配慮や自然との共生といった価値観が社会で広がる中、「最期は自然に還りたい」と願う人々も増えています。海洋散骨はその名の通り、大海原に遺骨を還し、自然の一部となることを目的とした葬送方法です。
特に長崎県は美しい海に囲まれ、五島列島や壱岐・対馬といった絶景ポイントが多く、こうした背景もまた海洋散骨への関心を高める一因となっています。豊かな自然の中で穏やかに故人を見送れるという心の安らぎも、この方法が支持される理由のひとつです。
海洋散骨のデメリットは?
親族の理解が得られない場合がある
海洋散骨は新しい形の供養方法であるため、家庭によっては古くからの風習や考え方に馴染まないこともあります。そのため、家族の中に慎重な姿勢を示す人がいる場合や、親戚の中で否定的な意見を持つ人がいると、トラブルの原因になる可能性があります。
「お墓がないと故人を偲びにくい」と感じる人も一定数存在するため、特に世代間で価値観がわかれる場合は、事前に話し合うことと理解してもらうことがとても重要になります。
遺骨の場所が明確でなくなる
海洋散骨では、遺骨が海に還されるため、墓石のように「場所」として遺骨が存在することがありません。したがって、お参りする拠り所がないことに寂しさを感じる人もいます。
節目ごとの法要や命日のお参りの際にも、どこに手を合わせたらよいかわからず、心の置きどころに困るという声もあります。この問題に対処するため、海洋散骨を行なった場所の座標を記載した「散骨証明書」や、故人を偲ぶプレートを自宅に安置するサービスを用意している業者もあります。
法律やマナーに配慮する必要がある
海洋散骨では、遺骨の粉骨処理を行ない、海洋に適切に散布する必要があります。また、観光地や漁場、航路の近くなど多くの人が利用する海域では、その地域の利用者や住民に配慮するマナーが求められます。周囲に不快な印象を与えないよう、業者選びの際には法律に準拠した散骨を丁寧に行なっているかどうかの確認が欠かせません。
季節や天候に左右される
海洋散骨は天候や海洋状況に大きく影響を受けます。長崎県は台風の接近が多い地域であるため、特に夏から秋にかけては実施日が直前になって変更になる可能性もあります。
また、冬場は海が荒れることも多いため、1年を通じて安定して散骨できるわけではありません。安全な条件下で船を出す必要があるため、希望する日程に必ずしも実施できないことを想定して、日程調整や予備日を設けておくことが望まれます。
海洋散骨の注意点は何か?
周囲の人に配慮する
海洋散骨は自然葬の一種として注目されていますが、その一方で周囲の人々や漁業関係者、観光客などから誤解や不快感を持たれる場合もあります。そのため、実施の際には必ず周囲に迷惑をかけないよう細心の注意を払うことが求められます。
具体的には、海水浴場や人の集まる港湾施設、観光地など、人目に触れる場所から離れた沖合で行なうのが一般的です。特に長崎県は観光都市でもあるため、配慮が不可欠です。業者に依頼する際は、こうした配慮が徹底されているかを確認することも重要です。
慎重に散骨エリアを選定する
海洋散骨を行なう海域は、個人の思い出や希望だけでなく、航路や漁業活動などの社会的要素も考慮して決定する必要があります。長崎県内においても、五島列島や壱岐、対馬のように人の往来が少なく、自然豊かな沖合のエリアが散骨場所として選ばれることが多いです。
また、海上交通に支障が出ないよう、船舶の航行が少ない海域を選ぶことが推奨されています。勝手に近海などで散骨することはトラブルの原因になるため、適切な海域選定のもと、許可を得た専門業者を通じて実施しましょう。
遺骨の粉骨処理は必須で行なう
海洋散骨においては、遺骨を粉末状に処理する「粉骨(ふんこつ)」が必要です。これは、遺骨をそのまま海に還すと遺体遺棄と誤解されかねず、また環境への影響も出るためです。
また、粉骨後には水溶性の袋に包んで自然に還す形が推奨されています。通常、直径2mm以下の微粉末にまで砕くことが一般的です。
長崎県では福岡県や熊本県と並んで海に面した地域が多いため、地元の行政や港湾関係者からの理解を得る意味でも、粉骨処理は適切に行なうようにしましょう。
宗教・宗派による違いに留意する
海洋散骨は、宗教や宗派を問わず実施可能ですが、場合によっては宗教上の理由により好ましくないと考える方もいます。特に仏教の一部宗派では、きちんと納骨や供養を行なうことを重視するため、散骨に否定的な意見も存在します。長崎県はカトリックや仏教など、多様な宗教文化が混在する地域であり、地域や家庭によって価値観が異なるため、家族や親族との事前の合意が不可欠です。
また、宗教的儀式を希望する場合には、住職や神父に立ち会ってもらう散骨セレモニーを選ぶことで、より敬意を表した供養が可能となります。
海洋散骨は違法ではない?
日本において、海洋散骨は明確に法律で禁止されているわけではありません。しかし、海洋散骨は各自治体の条例や規制などに従って実施する必要があるものです。そのため、散骨する際は、その自治体で定められているルールに沿って実施しましょう。
海洋散骨に関するガイドラインはある?
日本では、海洋散骨に関して法制化は行なわれていませんが、複数の民間団体により自主的なガイドラインが策定されています。その中でも代表的なのが、一般社団法人日本海洋散骨協会による倫理規定およびガイドラインです。このガイドラインには、散骨の場所や方法、遺骨の粉骨処理の徹底、関係者や地域住民への配慮事項などが具体的に記載されています。
自治体でルールがある?
海洋散骨に関しては国レベルでの規制が明確ではないものの、一部の自治体では独自のルールや指導要項を設けている場合があります。たとえば、港湾や漁業関係者の活動が活発な地域では、漁業権や海上交通への影響を懸念して、散骨ポイントの選定に慎重な配慮が求められることがあります。こうした事情により、散骨を実施する前には、関係する自治体や港湾管理者への相談または許可申請が必要となることもあります。
まとめ
長崎県は海に面した地域が多く、散骨に適した場所が複数あります。長崎県での散骨を検討している方は、信頼できる業者を選び、満足できる散骨にしましょう。